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​ 時効と葛藤 

某日 第二進路指導室

 

 その日は猪狩礼生の進路についての二者面談。机の向かいには礼生の担任に先生が成績表を広げ座っている。
「それで、以前話したことはきちんと考えてきたかい?」
 以前話したこと。それはアイドル『以外』の将来のこと。事前調査の際にアイドルと書いたときに、強く否定はしないが他の道も探しなさいとその日のうちに言われていた。そしてそれについて話すのがこの二者面談。
「考えました。プロ野球とか天体系のこと。でも…」
「良いじゃないか、天体系なんて礼生にピッタリだろ。良い答えが聞けてよかったよ」
 礼生が話しきる前に担任は言葉を切った。教師としてこれからを考えるのには、その方が都合が良いのだろう。進学の話しを始めようとした担任に礼生はさっきの言葉の続きを伝えた。
「でも、オレアイドルを諦めたわけじゃないです!探しなさいとは言われたけど進むと決めたわけじゃ…」
「猪狩」

 礼生の言葉を遮り、君のためだと、いかにも勝手な言葉と返して担任は成績表を閉じた。そして天文学について学べる大学の資料を礼生に渡してきた。この中から選べと言わんばかりに。
 礼生はその資料を持って進路指導室から出た。下を向いて少しだけ下唇を噛んでいた。ただ担任の言ってることも分からない訳ではない。担任なりに礼生の将来を案じた結果なのだろう。
 しかし、その有無を言わせない圧に近い特有の態度に礼生は潰れかけた。
「これも法則だっていうのか…?」
 グッと握りこぶしを作る。その片手にある資料は、一辺がグシャグシャになっていた。

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Produce by
リノ

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